本研究では通信制高校で①生徒の学校経験、②教職員の関わり、③生徒の人生における学校の位置づけを調査し、学校における居場所づくりの実践と論理を明らかにすることを目的とした。COVID-19によって実地調査が制限されたため代替調査を行った結果、①居場所づくりは休息や安心を鍵概念として、主たる活動場から離れた人に向けて行われる傾向にあること、②教職員は子どもたちと関わる中で徐々に居場所を重視する者と教育を重視する者の対立が可視化されること、③通信制高校では学校という場所が相対化され、むしろ学校内外で出会った人が資源となって不登校の問い直しが起きていることが示唆された。
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