研究課題/領域番号 |
19K14402
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
野崎 優樹 甲南大学, 文学部, 講師 (50801396)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 情動調整 / 情動コンピテンス / 社会情緒的能力 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,情動強度に応じた,他者のネガティブな情動を効果的に調整可能な方略を解明することである。本年度は,すでに収集を行ったテキストデータについて,昨年度に引き続き,データ分析を実施し,他者の情動を調整する方略とその有効性の関連を検討する分析を行った。また,情動強度に応じて方略の有効性が変わるかを検証する分析も行い,情動強度が弱い場合は,相手に問題対処を促す「問題解決」や,相手の考え方を変えるように働きかける「再評価」といった方略が効果的に働く一方で,情動強度が強い場合はこれらの方略は効果的に働かないということが明らかとなった。これらの分析結果に基づき,論文の執筆を行い,学術雑誌への投稿を行った。 また,いくつかの予備調査を行うことはできたものの,新型コロナウイルスの影響により,当初予定していた本調査を行うことができなかった。そこで,上記の分析内容を補完することも含めて,得られたテキストデータに関して,近年発展が著しい自然言語処理を用いた分析を新たに実施した。具体的には,テキストデータ解析のデファクト・スタンダードであるLIWC2015の日本語版を用いた解析や,トピックモデリングを用いた解析を行った。これらの結果の取りまとめを行い,学会発表や学術雑誌への投稿に向けた準備を進めた。また,昨年度に引き続き,オンラインコミュニケーションにおける他者の情動を調整する方略の有効性に関するメタ分析を進め,関連する文献情報の収集と適格基準のコーディングを順次進めた。 さらに,得られた研究成果の一部を日本感情心理学会第29回大会で発表すると共に,『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』および『感情制御ハンドブック-基礎から応用そして実践へ-』において,研究成果と関連する内容をブックチャプターの形で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ分析や論文執筆を進めることはできたが,新型コロナウイルスの影響により,予定していた調査を行うことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も得られたデータに基づき,新たな分析や論文執筆を進め,国際誌での発表を目指す。また,今年度も引き続き,新型コロナウイルスの影響で対面での調査が難しいことも予想されるため,オンライン調査などの方法の変更も視野に入れながら,本調査を実施することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により,当初予定をしていた新規の調査を実施することができなかったため。
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