研究課題/領域番号 |
19K14409
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
古村 健太郎 弘前大学, 人文社会科学部, 講師 (40781662)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 恋人間暴力 / 親密な関係 / サポートネットワーク |
研究実績の概要 |
2019年度は,恋人間暴力に介入する際にポイントとなる要因を検討するため,2つの調査を実施した。第1の調査として,恋人間暴力の発生が恋愛関係の進展段階の中で,どのように位置づけられるのかを検討するため,インターネット調査会社のインターネットモニターから,未婚の成人(20歳―35歳)を抽出した調査を実施した。その結果,(1)一般成人サンプルにおいて,恋人間暴力は恋愛の進展とは異なる流れの中で生じる可能性があること,(2)リスクのある性行動(避妊をしない性交,首をしめるなどの性交)は恋愛の進展の中で生じる可能性があることが示された。第2の調査として,親しい他者とのサポートネットワークの構造が恋人間暴力の加害や被害とどのように関連するかを検討した。その結果,恋人をサポート源として期待する程度によって間接的暴力の加害経験や被害経験に違いが示された。具体的には,サポート期待が中程度のグループが,サポート期待高群やサポート期待低群よりも間接的暴力の加害経験や被害経験が多くなっていた。2020年度は,これらの結果をもとに,恋人間の相互作用に対して働きかけるような予防的介入アプローチを立案し,その介入効果の実証的研究を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献情報を整理する中で生じた課題について調査を行い,検討することができた。また,介入手続きや介入の際のリスクについても,様々な専門家と情報交換を行い,情報整理をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の成果を活かし,アプリ開発のための介入研究を行っていく。そのために,スマートフォン・アプリについて業者との打ち合わせをを行うとともに,その成果をもとにした少数事例デザインによる介入実験を行う。また,2019年度の成果を査読付き論文として投稿していく。
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