研究課題/領域番号 |
19K14417
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西村 大樹 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 助教 (20832976)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 就労準備性 / アセスメント / 就労支援 |
研究実績の概要 |
近年,自閉スペクトラム症(ASD)と診断される者が増えており,特に青年期・成人期の支援に注目が集まっている。この年代のライフステージ上の課題の一つは社会参加と就労である。しかし,ASD者の就労に関する実証的な研究は少なく,標準化されたアセスメントツールも限られている。そこで本研究では,ASD者が安定的に就労するために必要な要因を明らかにし,ASDに特化した就労準備性のアセスメントツールを開発することを目的としている。 初年度の目的は,ASD者が安定した就労をするために必要な就労準備性を明らかにすることであった。調査協力が得られた医療機関の倫理委員会での承認後に,医療機関や福祉・労働機関での就労支援を経て,1年以上就労が継続できているASD者を対象に,半構造面接によるインタビュー調査を行った。具体的には,インタビューガイドを作成し,現在の就労状況やこれまで受けた支援の内容,仕事に就くために必要だった準備,支援を受けていく中で身に着けたこと,今仕事を続けていく上で大切だと思うこと等についての質問を行った。候補者に対するリクルートを行った結果,年度末までに9名から研究参加の同意が得られ,半構造化面接を行った。そのデータの逐語記録を作成し,質的な解析を行っている最中である。 次年度はデータの解析を進めるとともに,予備的検討として就労を継続している者を対象とした更なる調査を行い,アセスメントツール開発のための質問項目のリストを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査協力が得られた医療機関の倫理委員会に申請できる時期が限られており,承認を得るために時間を要したためである。また,年度末期には新型コロナウイルス感染症の影響から,医療機関での活動が制限されたため,対象者へのインタビュー調査やデータ解析が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
半構造面接により得られたデータの解析を進めるとともに,予備的検討として就労を継続している者を対象とした更なる調査を行い,アセスメントツール開発のための質問項目のリストを作成する。その後,調査対象者を拡大し,信頼性と妥当性の検証を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
リクルートできた研究協力者が,予定より少なかったためである。次年度使用額は,2年目の調査にて人件費・謝金として使用する予定である。
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