研究課題
若手研究
本研究では、自閉スペクトラム症(ASD)に特化した就労準備性のアセスメントツールの開発することを目的に、ASD当事者へのインタビュー調査や一般人口を対象とした質問紙調査を実施した。その結果、5因子39項目からなる自閉スペクトラム傾向者用就労準備性尺度が作成され、信頼性と一定の妥当性が確認された。今後は更なる妥当性と臨床的な有用性を検証するために、ASD当事者に対する継続的な調査が求められる。
臨床心理学
青年期・成人期のASD当事者は、就労や就労継続に困難を抱えている場合も多い。効果的な就労支援を行うためには、本人の就労準備性を把握する必要がある。しかし、ASD当事者が簡便に利用でき、科学的な裏付けのあるアセスメントツールは認められなかった。今回、自閉スペクトラム傾向者用就労準備性尺度を開発できたことで、就労を希望するASD当事者を適切な支援に結び付け、支援による変化も把握することが可能になり、臨床場面で非常に有意義なことと考えられる。