研究課題/領域番号 |
19K14418
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
城間 綾乃 琉球大学, 医学部附属病院, 特命一般職員 (50751567)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知症 / 安静時機能的MRI / 認知機能評価 |
研究実績の概要 |
本申請研究の目的は、認知症の認知機能全体の様相を簡便に捉える全般的な認知機能評価法として簡易神経心理テストバッテリーを開発し、そこから明らかとなる認知障害パターンと安静時脳活動ネットワークにおけるネットワーク障害との関連を明らかとすることである。具体的には、当センターを受診した認知症患者を対象に、認知機能の評価と磁気共鳴画像装置(3T MRI Discovery 750 GE社)を用いた安静時脳活動データの取得を行い、各ネットワーク内の機能的結合指標と認知症の認知障害との関連性について解析を行う試みである。 本年度は、認知症患者の認知機能障害の様相を、簡易神経心理テストバッテリーによって評価し、認知機能障害の様相と各ネットワーク内の機能的結合性の相違を比較するためのデータを収集することを目的とし、研究を遂行した。2018年~2019年に当センターを受診した認知症患者(アルツハイマー型認知症10名、軽度認知障害8名)を分析対象とし、データの収集を行った。全般性認知機能評価をMini-Mental-State Examination、注意機能・ワーキングメモリ評価を数唱課題・符号課題(WAIS-III)、視空間構成機能の評価として立方体模写課題・時計描画検査、前頭葉機能の評価としてFrontal Assessment Battery、遂行機能評価としてTrail Making Testを使用した簡易神経心理テストバッテリーを用いてデータ収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は当センターを受診した認知症患者30名程度(アルツハイマー型認知症15名、軽度認知障害15名)のデータを収集する予定であった。しかし、収集データが目標人数に達しておらず、データの蓄積を続けている段階である。また並行して、脳画像データの取得も続けており、fMRIによる安静時脳活動データの取得およびネットワーク内の機能的結合性の変化と認知機能障害との関連性の検討がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
認知症の認知機能障害の評価を継続し、それと同時に安静時脳活動データの取得を行い、脳内ネットワークの機能的結合性の変化と認知障害の関連性について解析を遂行する予定となっている。3T MRI 750E GE社の磁気共鳴画像装置を用いて、認知機能障害を有する認知症患者の機能画像と構造画像といった脳画像データの取得・解析を進める予定である。その際にCentral executive network、Salience network、Default mode networkから構成されるTriple network modelのそれぞれの機能的結合性の変化と認知症患者の認知様相との関連性を検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた、脳画像解析用パソコンの購入費が少なく済んだため。また今年度はlin4neuroを用いて脳画像解析を行っており、MATLABライセンスの購入を次年度に予定している。また、脳画像解析チュートリアル、国内学会への参加費を支出予定である。
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