本研究で開発したケア関連感情評価尺度のポジティブ感情下位尺度は、二つのネガティブ感情下位尺度とともに良好な構造的妥当性を示した。また、前者のCronbachのα係数は0.92、後者のものは0.93および0.95と十分な内的一貫性を示した。 さらに新規介入の着眼点を明らかにするため、精神病性障害の患者と兄弟姉妹の続柄にある家族を対象とし、患者の機能障害と家族のネガティブ・ポジティブ感情の介在因子としての介護負担および首尾一貫感覚の役割を共分散構造分析により検討した。その結果、兄弟姉妹を感情面で支援するためには、介護負担と首尾一貫感覚の両方に焦点を当てたアプローチが有効であることが示唆された。
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