本研究では、人々が抱く不安を軽減するために必要な方策を基礎心理学の各種理論を援用して検討した。その結果、不安の軽減には、不安を感じる場面に踏み出しつつ、不安に焦点化された注意を不安以外の対象に転換する必要性が示された。その際には、日常生活の各種活動などを用いるなど、人々が普段の生活において取り組みやすい方策を用いることが重要だと考えられた。また、不安の発生理由を肯定的に捉え直すことや、不安が軽減される具体的な方策について情報提供することによって、不安に向き合う動機づけの向上に寄与すると考えられた。
|