研究課題/領域番号 |
19K14434
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研究機関 | 比治山大学 |
研究代表者 |
三好 真人 比治山大学, 現代文化学部, 講師 (50758505)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アルコール関連問題 / 対人援助職 / 心理職 / 公認心理師 / 心理教育プログラム |
研究実績の概要 |
2019年度の報告に記載した通り、プログラムには断酒会会員によるリアルタイムでの体験報告を含むことでインパクトを大きくする計画であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止により、その実施が難しい。2年目は,初年度での成果のパブリッシュに努め,プログラム実施は事態が収まった翌年度以降に実施することを計画していた。 そのなかで、2020度は、2019年度に収集したデータを分析することと、分析による研究の方向の見直しを主に実施した。2019年度の調査では「大学生」を対象とし、大学生のアルコール問題に関する意識を調査した。一方で、対象を広く「大学生」とすることは、サンプルを集める上での制約(調査者らの所属する学部・学科の学生が対象者になってしまうこと)を考慮すると、調査サンプルに特有の事項に偏ってしまうのではないかと考えた。例えば、心理学や看護学、医学のような対人援助職に親和性の高い学問を専攻する学生をサンプルとして、アルコール問題への意識を訊ねた場合、問題への援助に関する意識などが抽出され、対人援助とは比較的関係のない専攻をサンプルとした場合と大きく結果が異なるのではないかということが分析のなかで見られたからである。 そのような視点から、先行研究を紐解くと、アルコール依存症への意識やイメージを測定しようとした研究には「対人援助」に関する学問を専攻するものを対象とし、将来の適切な援助や支援の実施に結びつけようとしたものが多い。よって、今後の研究の方向として、心理学を専攻する者のアルコール問題への意識を抽出し、心理教育の実践へつなげることを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、当初作成したプログラムを実施し、その効果を評価する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染防止より大学生をキャンパスに入れること、また、本研究のキーパーソンである断酒会会員をキャンパス内に入れることが不可能となった。そのため、プログラムが実施されていない。インターネットによる遠隔実施なども検討したが、受講者のリアクションを観察できないため、プログラムの性質上実現不可能であった。 一方で、2019時点で収集したデータ分析を済ませたこと。また、断酒会会員とのアポイントメントを継続実施し、研究実施の段取りはついている。また、2019年度に収集したデータを論文としてまとめ、現在査読中である。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定した規模でのプログラムを実施することは、感染防止の観点から厳しいととらえている。今後は、2019データを分析するなかで見えて来た「心理学」を専攻する学生を対象としたプログラムへと内容を切り替える。さらに「公認心理師」カリキュラムによる対人援助職志望者へサンプルを限定する等を検討し、少人数へのプログラム実施に切り替えることで研究の現実的実現可能生を高めることを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため、計画していた研究を実施することができなかった。また、学会等も中止が相次ぎ、研究発表・研究者交流も制限されたため。
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