研究実績の概要 |
本研究では、ナルコレプシーや特発性過眠症を中心とした中枢性過眠症患者を対象とした調査を行った。そして、中枢性過眠症患者に特徴的な思考を測定する尺度を開発して国際的な学術雑誌で公表(Hazumi et al, 2020; Sleep Medicine)とともに、居眠りへの拒絶感や周囲の反応の懸念、居眠りすることへの敗北感といった思考が、治療中のナルコレプシー患者における抑うつ症状に関連することが示唆され(羽澄ら,2021; 睡眠学会)、当該患者の二次的問題として発生しやすい抑うつ症状の防止や軽減に、認知変容を想定した心理支援が必要な可能性が示唆された。加えて、特発性過眠症に特化した日中の眠気重症度尺度の日本語版の開発に取り組んだ。日本語への翻訳と逆翻訳、および当該患者へのコグニティブインタビューを行うことで、開発及び内容的妥当性を完了した。 さらに、乳児の保護者を対象とした横断調査により、保護者における乳児に対する睡眠時の関わり方(たとえば中途覚醒時にすぐにあやす等)が乳児の睡眠状態の悪さに関連することを明らかにし、国際的な学術雑誌にて公表した(Hazumi et al, 2020; Nursing open).
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