研究課題
若手研究
本研究では、ナルコレプシーや特発性過眠症における特徴的な思考を測定する尺度を開発し、こうした特徴的な思考が抑うつや不安等の精神症状やQOLに関連することを明らかにするとともに、治療を開始し眠気が軽減した後もなお抑うつ症状に関連することを示した。加えて、特発性過眠症に特化した眠気重症度尺度の日本語版の開発に取り組んだ。加えて、乳児の保保護者における乳児に対する睡眠時の関わり方(たとえば中途覚醒時にすぐにあやす等)が乳児の睡眠状態の悪さに関連することを明らかにした。
臨床心理学
ナルコレプシーや特発性過眠症を抱える患者における、特徴的な思考パターンが存在すること、およびそれらが心理社会的問題に寄与することはこれまで明らかにされておらず、新規性のある発見といえる。これが明らかになったことで、当該患者の社会適応を促進するうえで、症状の軽減のみならず、症状に伴って形成された心理的問題の対処が必要な可能性が示唆された。今後、ナルコレプシーや特発性過眠症患者への包括的支援を発展させていくための一助となりうる。