本研究では、日本人用の成人用嗅覚検査の手続きを追加・改変することで、日本人幼児向けの嗅覚検査を開発することを目的とした。本研究では言語発達レベルも考慮し、言語を含む発達検査や児の経験を測定し、それらと嗅覚検査の関連も明らかにしようと考えた。検討1では4-6歳の健常児を対象として、検査が幼児に実施可能であるかを検討するため、84名のデータを取得し、手続きの追加・改変によって成人用嗅覚検査でも幼児に適用可能であることを示した。検討2では、自閉症スペクトラム(ASD)児を対象として、同検査が実施可能であることを確認したと同時に、ASD児の嗅覚力の困難さを検出できることを示した。
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