研究課題/領域番号 |
19K14445
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
牧野 拓也 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (20813752)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 翻訳・逆翻訳照合 / 利用可能性 / 評価項目の検討 |
研究実績の概要 |
本研究遂行において核となる半構造化面接Schedule for Affective Disorders and Schizophrenia for School-Age Children-Present and Lifetime version DSM-5 (K-SADSPL DSM-5)強迫症モジュールの逆翻訳照合が完了し、翻訳最終版が決定した。 K-SADS-PL DSM-5の尺度特性を検証するための質問紙を一部入れ替えた。子どもの行動チェックリスト(Child Behavior Checklist)ならびにスペンス児童用不安尺度(Spence Children's Anxiety Scale)ならびに同質問紙親評定版を用いることが決定した。その他の評価項目についても一部見直しをはかった。質問紙の入れ替え等研究計画の変更に伴って再度倫理審査を行った(2021年4月に福井大学医学系研究倫理審査委員会の承認を得た)。 インターネット認知行動療法におけるK-SADS-PL DSM-5強迫症モジュールの利用可能性について、松本一記、濱谷沙世、鈴木太とともに日本認知・行動療法学会第46回大会の自主シンポジウムにて検討した。従来的な評価と比較してK-SADS-PL DSM-5は臨床家の主観的評価が入りにくく、今後発達するインターネット認知行動療法に併せて使用することの重要性が確認された。 前向き観察研究については、現在評価項目の検討中であり、2022年度夏ごろをめどに倫理審査を受け、リクルートを開始予定である。近年注目を集めているゲーム使用、インターネットゲーム障害などを観察項目に含める予定である。このための文献収集もあわせて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
評価項目の見直し、検討、ならびにこれに伴う手続きに時間を要したため、全体の進捗が遅れている。また、コロナウイルス感染症の拡大に伴って研究に関連する打ち合わせ、情報収集などが滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
K-SADSPL DSM-5強迫症モジュールの尺度特性研究については、2021年度6月に開始し同年終了予定とする。当初、尺度研究へ参加した対象者全てを前向き観察研究の対象者候補とする予定であったが、これが困難となった。尺度研究と前向き観察研究の対象者は一部重複する予定であるが、リクルートについては別建てで行う。 前向き観察研究は18ヶ月の予後予測を計画していたが、今後観察期間の見直しをはかる予定である。コロナウイルス感染症拡大の状況を鑑みながら、対象者のリクルートを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症の拡大に伴って学会等にかかる旅費の支出がなくなったため大幅な支出の減額が起こった。今後、研究の進行に伴って成果報告が増えるものと予測され、発表にかかる各種経費に使用する予定である。
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