研究課題/領域番号 |
19K14447
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
竹市 峻 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (00838237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 認知行動療法 / 反芻思考 |
研究実績の概要 |
本研究では、自閉スペクトラム症当事者で抑うつ症状が併存している方を対象として反芻思考に焦点づけた認知行動療法(Rumination-focused CBT:RFCBT)の治療効果を測定することが第一の目的である。研究のリクルートを開始する前に、研究をより厳格なものとするために研究計画を再度修正し、認知行動療法の実施回数を12回(週1回、1回60分)、期間を3ヶ月間に変更することを検討した。RFCBTの治療効果を高めるために、自閉スペクトラム症当事者の方の認知行動療法実施の際に治療効果を高めるとされる視覚化の工夫をすることと、認知行動療法施行者間での効果の差を是正するための共通のプロトコルの作成を意図して、全12回分のハンドアウト資料を作成した。 2020年8月1日より症例の登録を開始。同年8月5日に第1症例の同意取得が得られ、研究が開始された。以後2020年3月末までに、合計6症例(通常診療(TAU)群3症例、通常診療に加えて反芻思考に焦点づけた認知行動療法を実施する(COMB)群3症例)の同意取得が得られ研究が開始されている。また、TAU群1症例、COMB群2症例の治療前後の評価含めて研究が完了しており、研究継続中の残り3症例も途中経過は良好である。 症例数の関係から、研究結果の詳細な分析は行なっていないが、現状ではどの症例の中断なく実施が完了している。COMB群では、主観的な抑うつ症状を評価するBDI-Ⅱや不安症状を評価するSTAI、自閉スペクトラム症の反復的・持続的行動様式(RRB)を評価するRBS-Rの改善傾向が見られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究のリクルートを開始する前に、研究をより厳格なものとするために研究計画を再度修正し、認知行動療法の実施回数を12回(週1回、1回60分)、期間を3ヶ月間に変更することを検討したこと、治療効果を高めるための認知行動療法の工夫として視覚化を採用し、全12回分のハンドアウト資料を作成したことから、研究のリクルートが開始される時期が遅れてしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究のリクルートが開始されて以降は、研究は概ね順調に進んでいる。報告書を作成している2021年5月段階では、8例の研究が開始されている。このままリクルートを進め、介入を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究のリクルート開始時期が遅れたため、治療前後の評価を行うためのMRI検査の実施数が想定より少なくなり、次年度使用額が生じている。現在、リクルートが進んでおり、目標症例30例を目指して評価を行なっていく計画である。
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