研究課題/領域番号 |
19K14449
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高垣 耕企 広島大学, 保健管理センター, 助教 (80790584)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 大学生 / 抑うつ / 行動活性化 |
研究実績の概要 |
大学生は、うつ病を経験する可能性の高い時期と考えられている。この時期にうつ病を発症すると慢性的な経過をたどり、対人関係の困難や、学業成績の低下などの否定的な結果に至ることが多いと指摘されている。そのために、保健管理センターなどの大学機関での早期対応が必要である。そこで、本研究では、まず抑うつ症状を有する大学生の特徴を明らかにする。次に、抑うつ症状の程度によって群分けを行い、抑うつ症状を有する大学生を対象にSimple Behavioral Activation (BA)を実施し、Simple BAの効果検証を行う。そして、残遺症状(抑うつ症状)に応じて行動的な特徴に違いがあるかを検討する。本研究を実施することで、大学機関等で効果的で実施可能な治療法の確立に向けた貴重なデータを有することが可能となる。 【令和3年度】 本年度もインターネット調査を実施し、縦断的なデータを収集した。 本年度は、DSM-5の基準を基に、PHQ-9とCESDを用いて健常群、閾値下うつ群、うつ病群に群分けを行った。そして、閾値下うつ群に当てはまった大学生を対象として、1年後に健常群、閾値下うつ群、うつ病群のどの基準に当てはまるかを検討した。その結果、1年後に42名は健常群、68名は閾値下うつ群、13名はうつ病群の基準に当てはまった。次に、閾値下うつ群からうつ病群への変化に関連する要因を検討した。その結果、閾値下うつ群からうつ病群へと変化した群のみ、回避行動や反すうとセルフ・コンパッションの-Isolationの得点が有意に増加することが明らかになった。 また、抑うつ症状を有する大学生を対象としたSimple Behavioral Activation (BA)を実施し、抑うつ症状の程度によって効果に差があるかを検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた第3回目のインターネット調査を行い、縦断的データを取得することができた。また、これまでの成果を国際誌で発表しており、現在も新たな成果を国際誌に投稿している。以上のことから、概ね順調に進展していると考えられた。
|
今後の研究の推進方策 |
4年目は、抑うつ症状を有する大学生を対象としたSimple Behavioral Activation (BA)の結果を検証する
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた旅費にあまりが生じた。英文校閲費、掲載料などとして繰り越して使用する予定である。
|