本研究の目的は、抑うつ症状を有する大学生の特徴を明らかにし、うつ病の基準に当てはまる大学生を対象に単純行動活性化を実施し、その効果を検証することであった。結果では、①カウンセリングを受けていない大学生のうち、37.57%の大学生が高い抑うつ症状を有していることを明らかにした。②縦断的研究から、閾値下うつからうつ病への変化には回避行動や反すう、セルフ・コンパッションのIsolation得点の増加が関連することを示した。③縦断的データから、単純行動活性化モデルの妥当性を示した。④うつ病の診断基準に当てはまる5名を対象に、単純行動活性化を実施したところ、5週間後の抑うつ症状は有意に改善した。
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