研究課題/領域番号 |
19K14454
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
上野 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00760589)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 内受容感覚 / 高齢者 / 身体症状症 / 予測符号化 / 予測誤差 |
研究実績の概要 |
内受容感覚の予測符号化が身体と感情との関係性を理解する理論として注目されている。 近年,身体感覚の違和感を訴える高齢患者が多いものの,加齢と内受容感覚との関係性に不明な点が多く,内受容感覚の機能不全が加齢や認知機能の低下に起因するのか身体症状症に起因するのか鑑別が難しい。本研究は,内受容感覚の機能不全のうち予測誤差を小さくできない「内受容感覚予測の修正困難さ」を測定する課題を作成し,高齢者も含めた身体症状症の評価指標を開発することを目的とする。本研究課題では,計算論アプローチによって1)健常若年者,健常高齢者を対象に「内受容感覚予測の修正困難さ」を測定する課題を作成する。2)身体症状症患者と健常者を対象に内受容感覚予測の修正困難さと関連する脳神経基盤を明らかにする。3)身体症状患者を対象に1)で作成した課題が身体症状症の重症度を予測するかを検討する。 2020年度は新型コロナウイルス感染症対策の観点から上記1)を行うために健常高齢者に対象を絞り,2019年度から継続して予備実験を行なった。予備実験では,健常高齢者を対象に内受容感覚予測の修正困難さを測定する課題のプロトコールを検討した。健常高齢者のデータを解析した結果,内受容感覚の正確性(Interoceptive accuracy)は試行ごとに向上し、高齢者は内受容感覚の正確性を修正することが可能であることが示された。予備実験の結果から、作成した課題が内受容感覚予測の修正困難さを測定するものであると考えられる。また、上記2)の予備的検討を目的とした国際誌の原著論文と国内誌の総説論文を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から実験を中止せざるを得ない状況であったため、データ収集に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
対象者数を絞り,新型コロナウイルス感染症の状況に応じて,感染症対策に留意しながらデータ収集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため実験を中止したことにより,研究参加者と研究補助員のリクルートが行えず,人件費・謝金の残金が発生した。 また,参加予定であった国際学会等もオンライン開催に切り替わり,旅費の残金が発生した。今後も新型コロナウイルス感染症の感染状況を鑑みながら実験を再開し,データ収集を行う。またオンライン開催の利点を活かして多くの学会等に参加し,情報収集を行う予定である。
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