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2021 年度 実施状況報告書

商業施設での「声かけ」による万引き防止効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19K14464
研究機関福山大学

研究代表者

皿谷 陽子  福山大学, 人間文化学部, 助手 (50739761)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード声かけ / 万引き防止対策 / 従業員 / 商業施設
研究実績の概要

2019年に実施した万引き防止対策「声かけ」の媒介の違いによる印象評定についての予備実験の追加分析を行った。万引き防止対策「声かけ」を施した場合の実験群(声かけあり)と対策なしの場合の統制群(声かけなし)の周囲に注意を払うしぐさの回数に違い及び,両群において,実験室での滞在時間や商品を隠匿するまでの時間,行動を躊躇するようなしぐさを探索的に検証した。その結果,Dabney et al.(2004)が示した万引き犯がとる行動(①商品の隠蔽を可能にする服装,②バックなど商品を隠蔽する際に使用できそうなものを所持している,③万引き防止対策について辺りを見渡すこと,④商品のアイテムからパッケージを変更または排除すること。本研究においては,③万引き防止対策について辺りを見渡すことを,周囲に注意を払うしぐさとして捉えた。)が本研究での模擬万引き課題時でも確認できた。これより,所有物でない物を搾取するという行為の際は,何かしら周囲が気になり,周囲を見渡す行動をとることが確認できた。また,声かけがためらい行動の増加と相関することが明らかになった。
万引き防止行動促進要因の探索的検討として、従業員裁量による職務行動と防犯意識及びホスピタリティ,職務満足感の関係についてWeb調査を実施した。正社員,パート・アルバイトの相関分析の結果,店舗内防犯意識,従業員裁量の万引き防止行動,声かけ行動と職場環境,職務内容,給与に関する満足感測定尺度,日本語版組織市民行動尺度,サービス化した組織における成員裁量の職務行動尺度には,正の相関がみられた。このことから,店舗での防犯対策行動を行う従業員の防犯意識が高いことと,その他の従業員裁量の職務行動も行っていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度にWeb調査での業種の違いによる万引きされやすい商品の調査を行い,現在分析を行っている。さらに,万引き防止研修会(協力警備会社の研修)を受講している商業施設の従業員とその他の従業員(Web調査)のアンケート比較を行う予定である。また,2020年度は万引き防止対策の「声かけ」の媒介の違いによる印象評定を実験室での実験及び現場での実施を計画していたが,新型コロナウィルス (COVID-19)の影響により対人に対する実験調査の実施は難しいと考えられる。そのため,実施形式を画像および動画の視聴による場面想定法による実施を計画している。
上記の理由より,進捗状況として「やや遅れている」と判断する。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により対人に対する実験調査の実施は難しいと考えられる。そのため,2019年度に実施した店舗内犯罪の防犯行動尺度,防犯意識尺度の従業員比較は引き続き分析を行う。実施計画の変更として,2019年度に行う予定であったWeb調査での業種の違いによる万引きされやすい商品や店舗での万引き対策,個人で意識して行っている店舗での防犯対策についての調査,店舗内防犯機器・対策の特徴の洗い出しを行うためWeb調査を2021年に実施した。その分析を行う予定である。また,万引き防止対策の「声かけ」の媒介の違いによる印象評定を実験室での実験については,画像および動画の視聴での場面想定法による実施を計画する。

次年度使用額が生じた理由

2021年度に実施したWeb調査(さまざまな業種の従業員)と協力警備会社の万引き防止研修会に参加した従業員のアンケートの比較を行う。協力警備会社の万引き防止研修会に参加した従業員のアンケートは紙媒体での回収であったため、業者に依頼しデータ入力を行ったのちに分析を行う。さらに,万引き防止対策の「声かけ」の媒介の違いによる印象評定を実験室での実験及び現場での実施の計画を画像および動画の視聴による場面想定法による実施に変更し進めていく予定である。その刺激画像や動画の作成のためのソフトの購入および参加者の回答をオンライン実施での回収を想定しているため、アンケート回収のための調査会社またはクラウドソーシングへの依頼費用とする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 店員教育がホスピタリティと防犯意識に及ぼす影響-店内での万引き防止の取り組みについてー2021

    • 著者名/発表者名
      皿谷 陽子・大久保 智生
    • 雑誌名

      日本ホスピタリティ・マネジメント学会誌

      巻: 31 ページ: 79-88

    • 査読あり
  • [学会発表] 万引き防止行動促進要因の探索的検討 ―従業員裁量による職務行動と防犯意識及びホスピタリティ,職務満足感の関係について-2021

    • 著者名/発表者名
      皿谷 陽子・平 伸二・仲 真紀子
    • 学会等名
      日本犯罪心理学会第59回大会
  • [学会発表] 「声かけ」が万引き行動に及ぼす影響―模擬万引き課題を用いて―2021

    • 著者名/発表者名
      皿谷 陽子・平 伸二・仲 真紀子
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会

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公開日: 2022-12-28  

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