父親の周産期メンタルヘルス不調の予防を目的とした、ウェブサイトとテキストメッセージの開発と、その効果検証を行った。 次の3つの方法で、ウェブサイト・テキストメッセージの内容について検討した。1. 国内、海外の父親の周産期メンタルヘルス不調予防に関する論文のレビュー、2. 先行研究を実施しているUniversity of NewcastleのRichard Fletcher博士とオンラインでディスカッション、3. 周産期メンタルヘルスに関わる専門職とのディスカッション。 上記を土台に、次のウェブサイトとテキストメッセージを作成した。認知行動療法のスキルを周産期の両親に届けるためのウェブサイト(knowell family: https://www.ncnp.go.jp/cbt/knowell/)を作成し、父親向けの記事を拡充した。特定非営利活動法人きずなメール・プロジェクトと連携し、周産期の父親のメンタルヘルス不調を予防するためのテキストメッセージを開発した。 開発したウェブサイト・テキストメッセージの効果検証を行った。2020年4月~7月に、リサーチ会社である楽天インサイト株式会社を通して、オンライン上でリクルートを行った。テキストメッセージを送付する群としない群に1対1で割付を行った。送付する群には、妊娠週数(乳児年齢)に合わせて、妊娠28週から産後100日までメッセージを送付した。産後100日時点の父親のGeneral Health Questionnaire-12 (GHQ-12)の合計点を主要評価項目とした。 試験は2021年5月に終了し、1310人(母親655人、父親655人)が参加し、952人(母親476人、父親476人)が産後100日のアンケートまで回答した。主要評価項目には差がなかった。高ストレス群では、GHQ-12のスコアが有意に低下する可能性が示された。
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