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2021 年度 実施状況報告書

注意欠如・多動症児童における顔認知障害の神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K14492
研究機関愛知県医療療育総合センター発達障害研究所

研究代表者

小林 恵  愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 研究員 (70781227)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード顔認知 / 注意欠如・多動症 / 神経基盤 / 発達障害
研究実績の概要

本研究では、児童期の注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder: ADHD)における顔認知障害の神経基盤を非侵襲的脳機能計測によって実験的に検討する。特に、ADHD児における腹側経路の“顔の変化しない情報(人物情報)”の処理と背側経路の“顔の変化し得る情報(表情)”の処理に焦点を当て、NIRS計測によってその特異性を明らかにする。
令和三年度は、引き続き新型コロナウィルス感染症の影響で病院でのADHD患児を対象とした脳活動計測実験を行うことが困難であった。そのため今年度は、主に昨年度までに得られたデータを論文や総説としてまとめ発表し、共同研究者とのリモートでの研究打ち合わせを重点的に行った。また所属先において、定型発達の小児のデータを取得した。
成果発表としては、日本赤ちゃん学会第21回学術集会のラウンドテーブルで話題提供者として発表を行った他、第26回日本顔学会大会(フォーラム顔学2021)および日本基礎心理学会第40回大会でポスター発表を行った。社会貢献活動として一般社団法人チャイルドライフ 2021年度ベルテール教育セミナー講師でADHD児童の認知処理についてオンライン講義を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた研究内容の1つを完了し、査読付き国際学術誌に発表した。一方、令和二年度から開始する予定だった研究内容については、新型コロナウィルス感染症パンデミックの影響で病院での研究実施が困難となったことから遅延している。

今後の研究の推進方策

今後も新型コロナウィルス感染症の流行の状況を鑑みながら、進めていく予定である。予定としては、神経順応パラダイムを用いてADHD児における人物情報の処理水準を明らかにする。まずは第1実験にて、ADHD児の側頭領域後部が顔の人物情報を処理しているかを検討するため、「複数人物の顔を提示する条件」と「同一人物の顔を提示する条件」における左右両半球後部側頭領域の脳活動を計測し、同一人物の顔に対して脳活動の低下(神経順応)が生じるか検討する。その後、ADHD児の同一人物の顔に対する神経順応が、顔の大きさ(第2実験)、向き(第3実験)、表情(第4実験)の変化に影響を受けないのかを検討する。なお、新型コロナウィルス感染症の状況によっては、適宜オンラインでの行動実験なども行っていく可能性もある。

次年度使用額が生じた理由

今年度は新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、参加する予定であった国際・国内学会がオンライン開催に変更になったため。今後はパンデミックで遅れた分の研究を遂行する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] The neural responses to bodies and faces in motion in infants' brain investigated by fNIRS.2021

    • 著者名/発表者名
      Megumi Kobayashi
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会第21回学術集会
  • [学会発表] 乳児はカリカチュアから母親顔を認識できるか.2021

    • 著者名/発表者名
      小林恵
    • 学会等名
      第26回日本顔学会大会(フォーラム顔学2021)
  • [学会発表] 身体処理の神経基盤の初期発達:顔処理との比較と倒立効果2021

    • 著者名/発表者名
      小林恵,O'Toole, Alice J.,金沢創,山口真美
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第40回大会

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公開日: 2022-12-28  

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