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2022 年度 研究成果報告書

注意欠如・多動症児童における顔認知障害の神経基盤の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 19K14492
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分10040:実験心理学関連
研究機関新潟大学 (2022)
愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 (2019-2021)

研究代表者

小林 恵  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70781227)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード顔認知 / 注意欠如・多動症 / 神経基盤 / 発達障害
研究成果の概要

本研究は、児童期の注意欠如・多動症(ADHD)における顔認知障害の神経基盤を非侵襲的脳機能計測である近赤外分光法(NIRS)によって実験的に検討することであった。本課題の最も大きな成果は、表情処理に関連する後部側頭領域における怒り顔の処理が治療薬(塩酸メチルフェニデート:MPH)の服用によって促進されることを示したことである。この成果は、査読付き国際学術誌(Neurophotonics, 2020)に発表された。また、日本語の総説としてまとめ発表するなど、一定の成果が得られた。さらに、本研究の成果を踏まえて、一般向けに発達障害の知覚処理に関する講義を行うなどの社会貢献活動も積極的に行った。

自由記述の分野

発達心理学、知覚心理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

最も大きな成果は、1つ目に幸福表情の処理においても、定型発達がSTSに依存するのと異なり、ADHDでは後頭葉顔領域の活動が優位になるという、非定型なパタンを示したことである。この結果は、これまで障害がないとされてきた表情においても、定型とは異なる見方をしている(手がかりや注目する情報が異なる)可能性を示唆するものである。2つ目は、治療薬(塩酸メチルフェニデート)の服薬によって怒り顔に対する後頭葉顔領域の脳活動が有意に上昇した点で、実行機能などの前頭葉の認知機能以外の脳内処理においても治療薬が奏効する可能性を示唆する。これらの知見は、ADHDに特有の視覚認知の理解の一助になると考えられる。

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公開日: 2024-01-30  

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