研究課題/領域番号 |
19K14508
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀口 達也 宇部工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (60780757)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヘッセンバーグ多様体 / Peterson多様体 / Schubert多様体 / Richardson多様体 |
研究実績の概要 |
当該年度において,次の結果が得られた. Dale PetersonはPeterson多様体と単位元におけるopposite Schubert cell(単位元周りのopen setと思っても良い)との交わりの座標環と旗多様体の量子コホモロジー環が環同型であることを発見した.A型旗多様体の量子コホモロジー環の明示的表示はCiocan-FontanineとGivental-Kimにより,多項式環を量子化された基本対称式たちで生成されるイデアルで割った剰余環で与えられている.つまり,Peterson多様体と単位元におけるopposite Schubert cellとの交わりの座標環は多項式環を量子化された基本対称式たちで生成されるイデアルで割った剰余環と環同型である.この量子化された基本対称式をさらに量子化したものを導入することにより,A型において,この環同型を正則冪零ヘッセンバーグ多様体の場合に一般化した.さらにその応用として,単位元周りのopen setにおいて,特別な場合の正則冪零ヘッセンバーグ多様体の特異点集合があるSchubert多様体と一致することも証明した.本研究は白土智彬氏との共同研究である.この結果を論文に纏め,arXivにアップロードした.
また,昨年度に得られたPeterson多様体とRichardson多様体の交わりの(同変)コホモロジー環に関する結果を論文に纏め,arXivにアップロードした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように,正則冪零ヘッセンバーグ多様体の幾何が量子化と関係していることが分かり,これまでにない視点が得られたためである.
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今後の研究の推進方策 |
正則冪零ヘッセンバーグ多様体の幾何がなぜ量子化と関係しているかを理解したい.その観点からシューベルトカルキュラスとの関連についても調べていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
covid-19の影響により,海外で行われる研究集会に参加することが困難となり,当該年度の使用額が大きく変更した.翌年度分の使用計画は,物品費,(国内)旅費が主となる予定である.
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