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2021 年度 実施状況報告書

対数的Calabi-Yau多様体の変形と分類

研究課題

研究課題/領域番号 19K14509
研究機関神戸大学

研究代表者

佐野 太郎  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (10773195)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード代数幾何学 / Fano多様体
研究実績の概要

重み付き超曲面のK-安定性についてのTasin氏との共同研究を行なった. Fano多様体がKahler-Einstein計量を持つこととK-ポリ安定性を満たすことが同値であることが示されて以来, 具体的なFano多様体のK-安定性が盛んに研究されてきた. 特に射影空間の3次以上のFano超曲面は全てK-安定ではないか?というシンプルな問は興味深い. 実はgeneralな超曲面はK-安定であることがTian氏, Zhuang氏らにより示されていた. 申請者はTasin氏とFano重み付き超曲面の場合にそれを拡張した. 具体的には, 指数が次元より低いgeneralなFano重み付き超曲面はK-安定であることがわかった. キーとなるのは, Brieskorn-Pham(BP)型の方程式の場合のK-安定性判定条件を決定したことである. 指数1の時には, ``重複度補題''なる主張が成り立てばK-安定性が従うことは示した.
この研究を2021年末にarXivにアップロードしたところ, Liu氏から佐々木-Einstein計量との関係を指摘され, Liu氏,Tasin氏との共同研究が始まった. それにより, 奇数次元のホモトピー球面のうち平行化可能な多様体の境界となるものが, 無限個の族をなす佐々木-Einstein計量を持つことが示せた. ここから特に, Collins-Szekelyhidi, およびBoyer-Galicki-Kollarの予想が解決できた. このホモトピー球面はBP型の特異点のlinkとして現れるもので, 通常の球面も含む. キーとなったのは, Tasin氏との共同研究でのBP型の超曲面のK-安定性の判定法を因子に沿ってorbifold locusが現れる場合に拡張することであった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Tasin氏との共同研究でも予期していなかった重み付き超曲面のK-安定性の必要十分条件が見つかり, それを契機にLiu氏との共同研究も短期間で完成したため.

今後の研究の推進方策

今年度はFano重み付き超曲面の研究が多くなってしまったが, 今後はCalabi-Yau多様体の分類についても進展を目指したい.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスによる影響が未だに残り, 多くの研究集会がオンラインになり, また研究打ち合わせを対面で行うことが難しくなったため. 次年度はある程度, 対面での研究活動も行えるようになることを願う.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Examples of non-K\"{a}hler Calabi--Yau manifolds with arbitrarily large b_22021

    • 著者名/発表者名
      Taro Sano
    • 雑誌名

      Journal of Topology

      巻: 14 ページ: 1448-1460

    • DOI

      10.1112/topo.12212

    • 査読あり
  • [学会発表] Construction of non-K\"{a}hler Calabi-Yau manifolds by log deformations2022

    • 著者名/発表者名
      佐野太郎
    • 学会等名
      Japanese-European Symposium on Symplectic Varieties and Moduli Spaces– Sixth Edition
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] Website of Taro Sano

    • URL

      https://sites.google.com/site/tarosano222/home

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公開日: 2022-12-28  

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