研究実績の概要 |
山辺ソリトンの一般化にコンフォーマルソリトンと呼ばれるものがある。本研究ではコンフォーマルソリトンを研究し,次の結果を得た。さらに,この結果を山辺ソリトンおよびk-山辺ソリトンに応用し,これまでに得られていた結果を改良した。特に,山辺ソリトン版のペレリマン予想に対する部分的解決を与えた。得られた結果は以下の通り。 1.任意の非自明完備勾配コンフォーマルソリトンで,方程式に現れる関数が非負であるものを考える。この時,ポテンシャル関数に対するある積分条件を仮定するとコンフォーマルソリトンは半直線と球面の直積となる。2.非自明完備勾配コンフォーマルソリトンが以下の(A),(B)もしくは(C)のいずれかを満たすとき,直線と完備リーマン多様体の直積もしくは,半直線と球面の直積となる。(A)方程式に現れる関数がL1空間に含まれ,ポテンシャル関数のグラディエント方向のリッチ曲率の積分が非負であり,ポテンシャル関数のグラディエントのノルムが高々線形増加。(B) 方程式に現れる関数が非負であり,ポテンシャル関数がある種の微分方程式を満たす。(C)多様体が放物型で,ポテンシャル関数のグラディエント方向のリッチ曲率が非正かつポテンシャル関数のグラディエントのノルムがL∞空間に含まれる。3.次の(A)もしくは(B)を満たす非自明完備勾配コンフォーマルソリトンは存在しない。(A)ポテンシャル関数が下から正の数で抑えられており,方程式に現れる関数は非負,かつ以下のいずれかを満たす(i)多様体は放物型,(ii)ポテンシャル関数のグラディエントのノルムはL1空間に含まれる。(iii)F^{-1}はL^p空間に含まれる(p>1)。(iv)多様体は線形体積増加。(B)ポテンシャル関数のグラディエント方向のリッチ曲率が非正であり,ポテンシャル関数のグラディエントのノルムがL^p空間に含まれる。(p>1)
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