研究実績の概要 |
本年度は,可積分な2次元偏差分方程式の理論について,以下の研究を行なった。 dKdV方程式のCAC propertyの解明: 浅水波の数理モデルであるKdV方程式の離散類似として広田の離散KdV方程式(以下,dKdV方程式とよぶ)が知られている。dKdV方程式のような Q(u(l,m),u(l+1,m),u(l,m+1),u(l+1,m+1))=0 の形で与えられる可積分な2次元の偏差分方程式には,可積分性として知られるConsistency around a cube (CAC) propertyを持つものが存在する。報告者の昨年度の研究成果により,dKdV方程式のConsistency around a broken cube (CABC) propertyを用いて,dKdV方程式がCAC propertyを持つことが示された。 本年度は,dKdV方程式の場合と同様の方法で,CAC propertyを持つことが知られていない2次元偏差分方程式のCAC propertyを示すために,CABC propertyを持つ2次元偏差分方程式の分類の研究を行った。
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