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2020 年度 実施状況報告書

非線形シュレディンガー方程式における初期条件と大域可解性の関係

研究課題

研究課題/領域番号 19K14570
研究機関東京電機大学

研究代表者

星埜 岳  東京電機大学, 理工学部, 助教 (30778155)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード非線型シュレディンガー方程式 / 初期値問題 / 解析性
研究実績の概要

非線型シュレディンガー方程式の初期値問題において非線型項が指数関数の形をしたものを扱った。
これは指数型の非線型シュレディンガー方程式などとも呼ばれる。
指数型の非線型シュレディンガー方程式の非線型項をソボレフ空間の枠組みで制御するには空間次元の半分の指数をもつ臨界のソボレフ空間を用いる。この臨界のソボレフ空間では任意の可積分性をもつルベーグ空間のノルムを制御することができる。この方面の研究は小澤徹教授らによる臨界のソボレフ空間におけるソボレフの不等式の結果を応用して1998年に小澤徹教授と中村誠教授により十分小さなデータに対する時間大域解の存在に関する論文が発表されていた。この研究がなされた時期はKeel, Tao教授らによるストリーカーツ評価式の端点におけるものが論文として発表されるかされないかの時期であった。この1998年の結果を踏まえて2014年に研究代表者は小澤徹教授との共同研究により解の解析性について空間2次元においての研究を行った。空間次元が2次元以外の場合もストリカーツ評価の端点におけるものを利用してやれば2014年の結果と同じ様な結果を指数型の非線型シュレディンガー方程式に対して証明できるのでこのことを論文の形の原稿にまとめて投稿中である。また研究代表者の2020年における2次の非線型項を持つ非線型シュレディンガー方程式系に対するモジュレーション空間における空間4次元に対する手法を空間3次元に対して適用する研究を行いこれを論文の形の原稿にまとめて投稿中である。この研究では2020年に発表した方法と同じ様には行かない部分があるので適当な工夫をしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に沿った形で研究を行うことができた。
論文の形にまとめた原稿を2報投稿中である。いずれも査読に送られている様である。

今後の研究の推進方策

指数型の非線型シュレディンガー方程式の研究では指数関数のノルムの収束性を保証するためにも初期データの大きさに関する条件が要求されている。局所解の構成に関してもこれまでの研究では指数関数からくる無限級数の収束性のために大きさに関する条件を要する様に思われる。局所解を構成する際にこれを上手に回避して存在時間幅を小さくすることで無限級数の収束性を保証できないか詳しく調べてみたい。また空間3次元における2次の非線型項をもつシュレディンガー方程式系の研究ではモジュレーション空間を応用して関数の時間減衰評価式を導きこれを利用して大域解を構成したのであるがこの様な方法はその他の非線型項シュレディンガー方程式の初期値問題に広く適用できないのか検討してみたい。また違った応用の仕方もないのか検討してみたい。

次年度使用額が生じた理由

今年度において研究における物品購入、資料の収集及び旅費にかかる経費について当初の計画との誤差が生じたので次年度においてはこれらの額を使用できる範囲で物品購入、資料の収集及び出張を行う予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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