研究課題
本研究では,数理物理や非線形光学の分野で普遍的に現れる非線形分散型方程式の解の時間無限大での漸近挙動を解明することを目標とする.研究のキーワード を「高次元」として,低次元で得られている結果の一般化や,これまで解析がなされていないモデルの解析を目指している.昨年度までは非線形Schroedinger方程式系や非線形Klein-Gordon方程式系について,非線形項の係数が実数である場合の解の漸近挙動の研究をおこなった.今年度は眞崎聡氏と共同で非線形Schroedinger方程式系について,非線形項の係数を複素数に一般化し研究を継続している.単独の非線形Schroedinger方程式は非線形項の係数の虚部が負の場合には消散構造を持ち,解の時間減衰が自由解よりも速くなることが知られている.Kim(2016),Li-Sunagawa(2016),Katayama-Sakoda(2020)らの結果により,非線形Schroedinger方程式系が消散構造を持つための十分条件が与えられている.どのようなシステムがこの十分条件を満たすかについて方程式の変換を通じて研究を行った.係数が複素数になると,方程式系は12次元ユークリッド空間と対応し4行3列の行列と同一視することができる.正方行列とはなっていないが,方程式系の変換によって対応する行列がどのように変化するかなどについては既に研究を行っており,これらの性質を用いて考察を進めている.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Nonlinear Analysis
巻: 230 ページ: -
10.1016/j.na.2023.113216
Proceedings of the workshop "Mathematical Physics and its Interactions" [Proceedings in Mathematics & Statistics (PROMS) series by Springer]
巻: - ページ: -
Pure and Applied Analysis
巻: 4 ページ: 287--311
10.2140/paa.2022.4.287
https://www.xmath.ous.ac.jp/~uriya/