研究課題/領域番号 |
19K14583
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松本 直己 慶應義塾大学, デジタルメディア・コンテンツ統合研究センター(日吉), 特任助教 (50747243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 三角形分割 / 偶三角形分割 / 組合せゲーム / グラフ彩色 |
研究実績の概要 |
2020年度は,交付申請書「補助事業中の研究実施計画」に記載した通り,グラフの生成定理のバリエーションの証明とその応用に時間を割いた.特に,応用面ではグラフ理論のみならず,組合せゲーム理論分野への応用なども視野に入れ,研究を進めた. 当該年度は新型コロナウイルスの感染拡大によって,研究活動を遂行できない時間が長く,思うように研究活動を遂行することができなかった.だがその中でも,大阪大学の東谷章弘氏,京都産業大学の栗本和季氏と共に,三角形分割上の帰還ゲームと呼ばれる組合せゲームの研究を行った. 俗に「一般化しりとり」と呼ばれるグラフ上の組合せゲームの一種として研究が始まった帰還ゲームを平面上の偶三角形分割(全ての頂点の次数が偶数の三角形分割)上で考察し,先手・後手の必勝戦略について研究を行った.平面上の偶三角形分割は3-彩色可能(全ての頂点を隣り合う色が同色とならないように3色で塗り分けできる)であることが良く知られており,その性質を利用することで,常に後手必勝となる十分条件を得ることができた.また,偶三角形分割の生成定理を利用し,平面上の偶三角形分割のある族において,先手必勝もしくは後手必勝となる場合を完全に決定することに成功した.これら二つの結果はいずれも与えらえた偶三角形分割(すなわち,ゲームの盤面)から直ちにゲームの勝者が決定できることを示唆している. 本結果については,その内容を1編の学術論文にまとめ,現在投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大によって,参加予定であった多くの研究集会が中止もしくは延期となり,同様に,多くの研究打ち合わせも見送られ,思うように研究活動が遂行できなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大によって,予定通りに遂行できなかったため,2021年度は昨年度に引き続き,生成定理の新たなバリエーションの証明とその応用について研究を進める. 特に,昨年度に取り組む予定にしていたマイナー関係を保持した二部的四角形分割の生成定理の創成を中心に遂行する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため,2020年2月以降の出張がほぼ全てキャンセルとなったため. 2021年度は2020年度のキャンセルとなった研究打ち合わせの実施,また関連書籍の購入も予定している.
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