現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Stokes方程式に対する研究成果は, これまで知られていなかった全く新しい成果である. それだけでなく, 今後, Navier--Stokes方程式に対する数値解析に関して, 新しい研究の方向性を拓くことができると期待される成果である. 更に, 数値解析だけでなく, Navier--Stokes方程式そのものの理論的な研究にも役立つと期待される. 不連続Galerkin法に対する成果は,これまで知らていた成果をより精密にしたものである. したがって, 非線形偏微分方程式の数値解析への応用など, 関連する応用研究に対しても, これまで知られていた研究結果を改善することができると期待できる. 総じて, 今年度得られた成果は, 偏微分方程式に対する数値解析分野において重要な立ち位置にあると言え, 非常に良い成果が得られたと言える. しかしながら, 論文についてはまだ掲載されていないため, 現在までの進捗状況は「おおむね順調」としている.
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今後の研究の推進方策 |
Stokes方程式に関して, 前述の通り, 対応する非線形方程式であるNavier--Stokes方程式に対する数値解析へ応用できるかどうかを検討する. 具体的には, 数値解の存在・非存在の証明や, 誤差評価の証明, あるいは, 数値解を通じてNavier--Stokes方程式の解の性質を調べる, といった方向性が考えられる. 不連続Galerkin法については, 非線形偏微分方程式に対する数値解の存在証明や誤差評価などへ応用できるかどうかを検討する. これら2つの成果は独立したものではないため, 例えば, 不連続Galerkin法による時間離散化手法を, Navier--Stokes方程式へ適用し, 得られる数値解の持つ性質を, 2つの成果を組み合わせて明らかにする, といった方向性の研究も重要であり, 検討する. また, 今年度の成果も含め, 得られた成果を論文化し, 国際会議等に積極的に参加して成果を発表し, 発信するように務める.
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