研究課題
得られるべきデータが得られない欠測値の問題は極めて重要であり,欠測に適切に対処しない解析方法は推定量に重大なバイアスを生じ得る.特に,完全に得られているデータのみを用いた解析はサンプルサイズの減少に伴う有効性の低下を招く.本研究では,応用上しばしば仮定されるデータから検証不能な欠測メカニズムの無視可能性を,近年発見されたより数学的に弱い新たな無視可能性の条件に着目することで,データから検証可能な条件に対する検定手法を提案することである.また,この新たな無視可能条件下で,セミパラメトリックな多重代入法を開発することである.令和2年度には,アイオワ州立大学のKim教授との共同研究で,無視不可能な欠測値データ解析における,モデルの識別性及びセミパラメトリック漸近有効推定量を提案した.また本研究成果は統計雑誌に採択され,令和3年度に出版された.また令和3年度には,通常仮定される完全データのモデルへの仮定を観測データに対し仮定することで,欠測メカニズムの無視可能性を観測データから検証可能な手法を提案した.また,提案された新しい識別可能性条件の下,パラメータを効率的に推定可能なFractional代入法と多重代入法を提案した.本結果は大阪大学の別府健治氏と延世大学のIm准教授との共同研究である.また,本成果を論文化し学術誌に投稿した.今後は,これまでに得られた成果をセミパラメトリックな多重代入法へ拡張することが課題である.
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