研究実績の概要 |
最終年度は, 順序カテゴリカルデータにおける回帰問題に対するロバストなダイバージェンスのベイズ推定について漸近性質やロバスト性について, 研究を行なった. 順序カテゴリカルデータにおける回帰問題においては, ロバスト性の一つの指標である再下降性が, 裾の重い分布を用いても達成しないことを示し, ロバストなダイバージェンスが再下降性を成り立たせるための条件であることを示した. また, 再下降性と事後分布の外れ値除去性との繋がりを示唆する結果が得られた. 一般論の研究も進めており, 現在, 一定の成果が得られている. またその他にも, 拡散過程モデルにおいて漸近性質とロバスト性の導出を行なった. またそれらの成果を研究集会や学会等で発表を行なった. 本研究において, 大標本漸近論を用いた漸近的な解析はNakagawa and Hashimoto (2020, 2021)で与えることができた. またそれらを用いた客観事前分布の導出を行なった. 実数空間上の独立同一分布からのデータに関しては, 事後分布の漸近正規性や一致性の条件の導出は, ある程度の一般的な条件まで導出ができた. また順序カテゴリカルデータにおける回帰問題への適用に関してもロバスト性と漸近正規性の一定の成果が得られた. また円周上のデータに関してもシミュレーション等を用いてロバスト性の評価も行った. 一方で, 時系列データへの適用は非常に難しく困難であったが, 近年, 拡散過程モデルにおいて, ロバストなダイバージェンスを用いた推定の漸近性質や影響関数を導出した. 本研究の目的「多種多様な統計的モデルについて γ-posterior の拡張を行い, 漸近性質の導出を行うこと」を, 一定程度達成できたと考える.
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