研究課題/領域番号 |
19K14601
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 一成 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (00801226)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 精度保証付き数値計算 / 計算機援用証明 / 符号変化構造解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は精度保証付き数値計算の技術を用いて反応拡散モデルの計算機援用解析を行うことである。具体的には対象とする問題の真解uの存在を数学的に厳密な意味で保証し、かつその符号変化構造を明らかにすることが目的である。ここで“符号変化構造”とは「uの同符号領域(Nodal domain)の数」と「u=0となる点を結んだ線(Nodal line)の交わり方」を意味する。即ち、真解uが数値近似解の付近に存在することを具体的な誤差上限rと共に保証し、更にuの符号変化構造をも数学的に厳密な意味で保証をするということが本研究の目的である。本研究では、以下の3つの手順で対象問題の解の存在性および符号変化構造を明らかにする:「手順1:対象問題の近似解を求め、その近傍に真解が存在することを示す」「手順2:符号変化構造が不明な領域Uを特定し、U内のNodal sets非存在性を証明する」「手順3:手順2で得た情報を基にNodal setsの数とNodal lineの位相構造を決定する」。 本年度の研究ではNodal setsの数が判明してもNodal lineの位相構造が完全に決定できない解に対してその位相構造を決定、もしくはより少ないパターンに絞るための方法論を構築した。特に水の状態変化や合金の生成過程等を表す重要な方程式であるアレン・カーン方程式の定常問題へ本手法を応用し、昨年度の結果に比べてより精密な符号変化構造解析を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の課題としていたNodal lineの位相構造が完全に決定できない解に対する符号変化構造決定を実現しており、計画通り研究が進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発した手法をより一般の問題に応用することでその有効性を証明する。また、本解析手法を広く国内外に周知する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により予定していた研究出張および招聘がキャンセルされ、数値計算のための物品購入にも支障が生じたため研究スケジュールを変更した。 次年度には本研究で得られた解析手法を周知するための学会発表、および集大成としての実験・解析を行うための物品購入も計画している。
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