研究課題
若手研究
本研究の目的は精度保証付き数値計算を用いて反応拡散モデルの符号変化構造解析を行い、数学的視点から現象解明に貢献することであった。研究代表者はモデルを記述する作用素の固有値に関する情報と精度保証結果(解の包含情報)から真解の正値性を事後保証する手法を確立した。この手法をアレン・カーン方程式(水の状態変化や相分離現象を記述する反応拡散モデル)に応用し、液相個層の共存関係の証明を与えることに成功した。
数値解析
反応拡散モデルを含む微分方程式の解に対する精度保証付き数値計算の従来研究は「近似解の数値計算→精度保証」というプロセスの速度向上や、得られる結果の高精度化に焦点が当てられていたが、研究代表者はそこに「符号の保証」という新たな価値を与えた。この着眼点が評価され、精度保証という研究分野が発足した当初から40年以上の歴史を持ち、現在も最も権威があるとされる国際学会SCANの基調講演者として招待された。