| 研究課題/領域番号 |
19K14603
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| 研究機関 | 関西学院大学 |
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研究代表者 |
陰山 真矢 関西学院大学, 理工学部, 助手 (80824060)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | デイジーワールドモデル / 惑星温暖化 / 数理モデル / 数値シミュレーション / 反応拡散方程式 / 植生と環境のフィードバック |
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| 研究実績の概要 |
デイジーワールドモデル（植生と気候のフィードバックシステムを非常に単純に書き表した数理モデル）に温室効果を加えた方程式について，本格的な解析的研究に取り組んだ．
当該年度ではまず，温室効果を加えたデイジーワールドモデルに対して，解の安定性解析を行い，一様状態の不安定化が起こる条件を調べた．この条件を調べることで，やみくもに数値シミュレーションを行うことを避けることができ，パターン形成が起こるような制御パラメータの値をある程度絞ることが可能となる．したがって，それらの結果を踏まえて数値シミュレーションを行い，実際にデイジーのいくつかのパターン形成を観測することができた．これらの結果は，デイジーワールドモデルに対するこれまでの結果と矛盾のないものとなっており，その成果を国内学会３件において報告した．これらの学会報告では，数学以外を専門とする幅広い研究者や学生に，本研究の社会における重要性を伝えることができた．
また，国内学会での報告の際には，学会参加者から様々な意見をいただくことができた．それらの意見を踏まえて，対象のモデル方程式について，いくつかの修正すべき点を発見することができた．比較的早い段階でモデル方程式の修正点を発見することができたことは非常に有益であった．
当該年度後半では，修正したモデル方程式に対する解の安定性解析と数値シミュレーションを行い，次年度以降の研究に必要なデータの一部を収集した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
二年目では新型コロナウイルス感染症の流行により，参加を予定していたいくつかの国内・国際会議が中止となった．
さらに，二年目の途中でモデル方程式の一部を変更したため，新たに数値シミュレーションを行い，データを揃える必要がある．但し，大きな変更では無いため，これまでの研究成果も十分に利用することができる．
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究では，温室効果をもつデイジーワールドモデルに対して，引き続き解析的かつ数値的研究を進めていく．「現在までの進捗状況」の項目にも記述したが，モデル方程式に一部変更があったため，変更モデルに対して検証と数値シミュレーションを行う．
数値シミュレーションでは，デイジーワールドモデルが「抽象的」モデルであるという利点を活かして，常識にとらわれない計算機実験を行い，新たな知見を得ることを目標としたい．
また，それらの結果を国内学会で報告し，様々な分野の研究者から意見をいただきつつ，議論を交わしていく．さらに，得られた成果を論文にまとめ，国際誌に提出することも目標とする．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった国際会議や国内学会が新型コロナウイルス感染症の影響で延期となったため，旅費等として割り当てていた額を使用することができなかった．
次年度でも引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で，旅費等が使用できないことが予測される．その分については，オンライン学会参加のための必要備品等に充てることを検討している．
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