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2020 年度 実施状況報告書

伝播現象におけるバースト性の役割:理論的解明と多様な伝播現象への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K14618
研究機関東北大学

研究代表者

翁長 朝功  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90823922)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードネットワーク / 伝播現象 / カスケードモデル
研究実績の概要

伝播現象とは、感染症、意見や情報、金融市場における取引など、イベントが次のイベントの発生を引き起こす現象の総称である。これらの現象は、ネットワークを通して社会または金融市場に伝播していく。伝播現象に関する研究は世界的に活発に行われているが、未解決問題は山積している。また、金融ネットワークなど経済学分野への貢献も期待されている。

本研究課題の目的は、伝播現象におけるバースト性について、理論的に解明し、複数の伝播現象への応用を行う事である。

2020年度は、まず、確率過程の一種である伝播過程を用いると、Twitterのデータをよく描写できることを発見し論文として出版した。伝播現象を用いると、人間の行動である情報カスケードに対して、サイズやクチコミ度合い、情報の新しさの減衰などの統計指標について、分布と平均値を理論的に求める事ができる。また、観測データとの良い一致性を確認した。独立カスケードモデルと、リミテッドアテンションモデルの二つのモデルが存在する。リミテッドアテンションモデルが観測データとよく一致することを明らかにした。また、ワッツ閾値モデルと、経済学におけるゲーム理論との同値性を見出した。特に、経済学のゲーム理論では、これまで、平均場近似による解析が用いられてきた。しかしながら、ワッツ閾値モデルの解析で精度が高い方法として提案されたメッセージ伝播法を用いると、ゲーム理論のナッシュ均衡をより精度良く求められることが明らかになった。また、この手法の数学的妥当性を定理の形で証明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに研究を遂行できている。

今後の研究の推進方策

予定通りに研究を遂行する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ対策などにより、国際会議参加ができなかったため次年度使用額が生じました。コロナ収束後に、国際会議での研究発表を行なっていきます。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] リムリック大学(アイルランド)

    • 国名
      アイルランド
    • 外国機関名
      リムリック大学
  • [国際共同研究] 南カリフォルニア大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      南カリフォルニア大学
  • [雑誌論文] Branching process descriptions of information cascades on Twitter2020

    • 著者名/発表者名
      Gleeson James P、Onaga Tomokatsu、Fennell Peter、Cotter James、Burke Raymond、O’Sullivan David J P
    • 雑誌名

      Journal of Complex Networks

      巻: 8 ページ: cnab002

    • DOI

      10.1093/comnet/cnab002

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 多状態のワッツ閾値モデル2021

    • 著者名/発表者名
      翁長朝功、小林照義
    • 学会等名
      日本物理学会第76回年次大会
  • [学会発表] Twitter の情報カスケードの branching process による描写2020

    • 著者名/発表者名
      翁長朝功
    • 学会等名
      ネットワーク科学セミナー2020

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公開日: 2021-12-27  

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