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2021 年度 実施状況報告書

伝播現象におけるバースト性の役割:理論的解明と多様な伝播現象への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K14618
研究機関東北大学

研究代表者

翁長 朝功  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90823922)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードネットワーク / ゲーム理論 / カスケードモデル
研究実績の概要

伝播現象とは、感染症、意見や情報、金融市場における取引など、イベントが次のイベントの発生を引き起こす現象の総称である。これらの現象は、ネットワークを通して社会または金融市場に伝播していく。伝播現象に関する研究は世界的に活発に行われているが、未解決問題は山積している。また、金融ネットワークなど経済学分野への貢献も期待されている。

本研究課題の目的は、伝播現象におけるバースト性について、理論的に解明し、複数の伝播現象への応用を行う事である。

2021年度の研究成果は次のとおりである。購買行動やニュースなどの情報は、社会ネットワークを通じて人々の間に広まってゆく。simple contagion と分類される感染症伝播に対して、社会的行動の拡散は complex contagion に分類される。社会的行動の拡散は近年 SNS のデータが増えるに伴って活発に研究されている。我々の研究では、社会における拡散現象の理解を深めるためゲーム理論を用いたアプローチを採用した。まず、標準的な拡散モデルの一つであるワッツ閾値モデルは、ゲーム理論における調整ゲームと同値の拡散過程を示すことを指摘した。そして、二つの財(商品)が広まっていく過程を描写するために、近似マスター方程式を用いた分析方法を提案した。さらに、Mac と Windows のように財が競合的な場合には、元々の財の魅力が同じであっても、偶然にどちらかが他方を支配することを明らかにした。解の軌道が鞍点経路となる事によって、拡散の過程において対称性の破れが生じることを示した。論文を執筆し国際学術誌に投稿を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに研究を遂行できている。

今後の研究の推進方策

計画に従って推進する。

次年度使用額が生じた理由

感染症の流行等によって、参加を予定していた国際会議や国内学会の社会情勢を考慮した参加の見送り等があったため次年度使用額が生じた。翌年度に、国際会議や国内学会に参加し成果報告を行う計画をしている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] ネットワーク上の伝播現象と 調整ゲーム2022

    • 著者名/発表者名
      小林 照義,荻巣 嘉高,翁長 朝功
    • 学会等名
      日本物理学会 第77回年次大会
  • [学会発表] Branching process 理論によるリツイート活動の予測2021

    • 著者名/発表者名
      楊 氷潔,藤原直哉,翁長 朝功
    • 学会等名
      ネットワーク科学研究会
  • [学会発表] 社会ネットワーク上の伝播現象へのゲーム理論によるアプローチ2021

    • 著者名/発表者名
      小林 照義,荻巣 嘉高,翁長 朝功
    • 学会等名
      ネットワーク科学研究会
  • [学会発表] Diffusion dynamics on monoplex and multiplex networks2021

    • 著者名/発表者名
      小林照義,翁長 朝功
    • 学会等名
      日本経済学会秋季大会

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公開日: 2022-12-28  

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