本研究では,白色矮星や中性子星表層の磁場強度に匹敵する磁場を実験室で生成する手法を確立した.高出力レーザーとミクロスケールの物質の相対論的相互作用を利用して,10 kT級の磁束密度で反平行磁場からトロイダル磁場まで多様な磁場を生成できることが示された.プロトン偏向法による磁場計測により,レーザー条件やターゲット形状と磁場配位,磁場強度,持続時間の関係が明らかになり,実験室宇宙物理学を含む様々な研究展開が検討された.目的に応じて最適な磁場を造り出せるよう制御パラメータが整備されたことも本研究の成果として極めて重要であり,単なる学術的興味に終わらない,実用的な強磁場生成法が確立された.
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