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2019 年度 実施状況報告書

非接触プラズマにおける再結合フロントの動的挙動とその制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14686
研究機関核融合科学研究所

研究代表者

林 祐貴  核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (00823387)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード非接触プラズマ / 再結合フロント / 熱パルス
研究実績の概要

2019年度は主に、再結合フロントを伴う非接触プラズマへの熱パルス重畳実験によって、パルス的熱負荷低減における非接触プラズマの役割を明らかにするとともに、再結合フロントの動的挙動を観測することを目的として、オランダDIFFER研究所の直線型プラズマ装置Magnum-PSIを用いた計測実験を実施した。
Magnum-PSIはコンデンサバンクによる放電電力の急峻な立ち上げによって、定常非接触プラズマに熱パルスを重畳することが可能である。プラズマは純ヘリウムガスを用いて生成し、電子温度は1eV以下、電子密度は1×10^19 m^-3となっており、高密度の再結合プラズマを生成している。プラズマが終端するターゲット板前面に非接触プラズマを生成し、熱パルスを重畳した。ターゲット板から20 mm上流位置で、静電プローブを用いたイオン飽和電流(Isat)時間発展を計測した。同時にターゲット板におけるイオン飽和電流(Itarget)の計測も実施した。
熱パルス生成による放電パワーの立ち上がり時刻を基準とした際、IsatおよびItargetの立ち上がりに時間の遅れが観測された。時間遅れを用いて見積もった熱パルスの流れ速度は、プラズマ源から静電プローブ位置までよりも、静電プローブからターゲット板までの方が大きく減速した。静電プローブ位置を基準とした際の、上流側から下流側にかけての流れ速度の減少は熱パルスと中性粒子との相互作用によるものであると考えられ、非接触プラズマによって熱パルスのエネルギーが緩和されていることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度はオランダDIFFER研究所への渡航および実験を実施した。静電プローブ駆動システムを整備し、Magnun-PSへ取り付け、真空排気やデータ収集に関して異常がないことを確認できたため、プラズマ実験をスケジュール通りに遂行することができた。静電プローブをはじめとし、トムソン散乱計測、発行分光計測、高速カメラによるプラズマ挙動など多くの実験データを取得することができた。

今後の研究の推進方策

2020年度は主に2019年度取得のデータ解析を実施する。2019年度に得られた熱パルスの流れ速度の減少から、熱パルスの非接触プラズマ中を輸送する過程におけるエネルギーや動圧の変化を系統的に調査し、非接触プラズマの熱パルスへの緩和過程に与える影響を明らかにする。また、プラズマの挙動を時間発展で撮影した高速カメラ画像から、熱パルス飛来時の再結合フロントの崩壊・回復過程を時間スケールに注目して調査することで、再結合フロントの熱パルスに対する動的挙動を明らかにする予定である。さらに、熱パルスがターゲット板に与える熱負荷を定量的に評価するために、ターゲット板表面温度を赤外線カメラを用いて計測する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2019年度はテレビ会議等によって旅費を削減した。2020年度は海外渡航を予定しているため、当該助成金と合わせて海外への旅費に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] DIFFER(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      DIFFER

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公開日: 2021-01-27  

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