研究課題
直線型プラズマ装置Magnum-PSIにおけるパルスプラズマの実験結果について考察を深め、モデリングにより観測された物理を説明した。パルスプラズマがターゲットに到達することでターゲットが高リサイクリング条件へと移行する。実験ではそのような高リサイクリング状態への遷移が、パルスプラズマによる粒子負荷に与える影響を中性粒子圧力依存性に着目して調査した。中性粒子圧力が高い場合には、プラズマと中性粒子との相互作用によりターゲットイオンフラックスが緩和されることがわかった。一方、圧力が低い場合、ターゲットへのイオン粒子束はパルスの後半部分において部分的に抑制されることがわかった。ターゲットから200 mm上流に位置する静電プローブではこのような減少は見られなかった。パルスの前半部分は観測されていることから、パルス自身が発生させる過渡的なリサイクリング粒子束が後続のパルスを抑制させていることが考えられる。実験結果を説明するため、流体コードと中性粒子輸送コードを組み合わせたモデリングを行った。プラズマ流体コードを用いて、パルスがターゲットに到達した直後のプラズマ分布を計算し、それを背景として中性粒子の輸送を計算した。モデリングの結果、過渡的なリサイクリング粒子束の促進によって引き起こされる動的圧力が、ターゲットに向かって流れ込むパルスプラズマを停滞させるのに十分な運動量損失をもたらすことがわかった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Plasma Physics and Controlled Fusion
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