研究課題/領域番号 |
19K14688
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
矢内 亮馬 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (40824743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ECH / マイクロ波 / プラズマ乱流 |
研究実績の概要 |
プラズマ乱流により生じる密度揺動により、プラズマ中を伝播するマイクロ波が散乱されビームが広がってしまう現象が、ECHによるプラズマ加熱に与える影響を評価することは、正確な加熱・電流駆動を行うために必要であり、核融合炉実現に向けて重要である。そのため国内で稼働中の磁場閉じ込めプラズマ装置の中で、最大規模の装置である大型ヘリカル装置LHDにおいて、以前に実施した実験結果を解析し、プラズマの乱流に起因する密度揺動に伴うビームの広がりを電子温度分布の変化から評価しようと試みた。しかし、現状得られている実験データの解析では密度揺動によると考えられる影響を評価するには至らなかったため、LHDでの実験に基づいた電磁界シミュレーションによる評価を行うこととした。磁場に垂直なECHビームの伝播を模擬した2次元の電磁界シミュレーションを実施するモデルを構築し、プラズマの密度揺動の空間構造の影響を評価するとともに、PCI計測に基づくプラズマの密度揺動を取り入れてLHD実験を一部模擬したシミュレーションを行った。初期のプラズマのモデルにバグがあり、ECHを模擬したマイクロ波ガウシアンビームの広がりを過大評価してしまう問題があったが、現在は解決でき、妥当と考えられる結果を得られている。今後、このシミュレーションを活用してLHD実験でのパラメータに基づく評価を行ない、ECHビームがプラズマ乱流によって受ける影響が、現状の実験データで解像可能な範囲にあるのかについて評価を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プラズマ実験によりECHのパワー吸収からビームの広がりを評価することが現状のデータでは難しいため、実験的に評価するためには別の手法を検討する必要がある。実験データに基づく、電磁界シミュレーションについては、初期に構築したモデルにバグがあり、計算結果で密度揺動の影響が課題に評価されることが判明し、研究の進展に遅れが生じたが、その問題は解決し、基本的な2次元のモデル構築が完了したと考えている。今後より詳細にLHD実験でのパラメータを取り込んで評価を行う。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロ波プローブビームを利用してLHD実験での評価ができないかを現在検討中であり、これにより実験での評価を行おうと考えている。電磁界シミュレーションについては2022年度に簡易モデルによる解析を実施、妥当性を確認していた。2023年度はそのモデルをさらに発展させ、よりLHDの実験条件に近いシミュレーションを実施し、ビーム広がりについて評価を行う。さらに現在は2次元シミュレーションであるが、現有の計算資源で可能であれば3次元シミュレーションに拡張することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地参加での国際学会への参加ができなかったため次年度は海外の国際学会に参加し、発表を行う。現在、マイクロ波プローブビームを利用しての密度揺動によるビーム広がりの実験での評価が可能かを検討中であり、そのために必要な物品を購入する。
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