研究課題
2022年度は本科研費の最終年度であり、これまでの研究結果の論文執筆に多くの労力を割いた。結果として、11報のフルペーパーを執筆することができた。得られた研究結果の積極的な講演も行なった。2022年度は、国際会議講演8回、国内会議講演2回、対外セミナー9回であった。さらに、高エネルギーニュースという学術書に、共著で最新のWボソン質量アノマリーに関するまとめの記事を寄稿した。注目すべき結果として、物理定数の調整時に新物理の影響を調査することができた。微細構造定数などの物理定数は、CODATAにより水素等のスペクトル分析から得られる精密測定の結果に基づいて決められている。しかし、その調整は標準模型を前提としている。我々は一般的な新物理を湯川ポテンシャルの形に仮定し、それを考慮に入れ、CODATAの結果を再現する一方で、物理定数の調整に矛盾が生じない手法を開発することができた。同時に、molecular hydrogen ion等のスペクトル分析も取り入れることで、CODATAよりも幅広い実験結果を扱うことができた。さらに、CODATAによる標準模型物理定数の調整よりも、優れたfitを示す特定の新物理の存在も明らかになった。この論文はPhysical Review Lettersに掲載され、プレスリリースも公表した。また、K to mu muに関して、そのstrong phaseの見積もりに関し、Grossmanグループと共著で結果を出すことも成功した。Cabibbo角アノマリーに関して、そのベクター型クォークの現象論の論文をまとめることも成功した。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 9件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 8件、 招待講演 8件) 備考 (3件)
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