本課題では、大域的対称性の破れSO(6)→SO(4)×SO(2)に基づく複合2-Higgs Doublet ModelにおけるCP対称性の破れ(CPV)の現象論的性質を研究した。このシナリオでは強結合セクターに由来する非自明な複素位相により、低エネルギーでの湯川相互作用及びヒッグスポテンシャルにCPVが予言される。電弱精密測定等の既存実験の 制限の下で、ヒッグスボソン質量、結合定数、崩壊分岐比等を計算しそれらの間の相関を調べた。特に、2個の付加的な中性ヒッグスボソンの弱ボソン対への崩壊分岐比が同時に最大で数パーセント程度なりえることを明らかにし、CPVを加速器実験で検証し得る可能性を示した。
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