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2022 年度 研究成果報告書

近臨界ブラックホールの対称性とシャドウ

研究課題

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研究課題/領域番号 19K14715
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
研究機関学習院大学 (2022)
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2020-2021)
立教大学 (2019)

研究代表者

伊形 尚久  学習院大学, 理学部, 助教 (40711487)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードブラックホール / 一般相対論 / ブラックホールシャドウ / 光子脱出確率 / ニアホライズン対称性 / 臨界極限
研究成果の概要

回転ブラックホール時空において、シャドウ(暗いスポット)の周縁部の明環と直接関係する球面光子軌道について研究を行った。ブラックホールスピンの臨界値極限を考えると、球面光子軌道の一部の軌道半径がホライズン半径に極限することを示した。さらに、スピンの臨界値極限において、このクラスに属する光線束の膨張・剪断変形を生成する時空曲率が十分小さくなることが示され、結果としてホライズンの近くを周回運動するときの減光率が抑制されるという結果が得られた。また円軌道の光源から等方的に放射される光子の脱出確率を評価し、円軌道のとり得る半径に依らずに、光子脱出確率が50%を上回ることを明らかにした。

自由記述の分野

一般相対論

研究成果の学術的意義や社会的意義

M87銀河の中心に位置する大質量コンパクト天体の電波観測によりシャドウが実際に観測されたものの、この現象はブラックホール時空だけで起きる現象ではないため、中心天体の正体の解明のためにはホライズンの近くで起きるブラックホール特有の現象に着目することが重要である。本研究の成果は、超高速回転ブラックホールのホライズンの近傍領域で起きる特異な性質が観測可能な現象と関係づくことを明らかにするとともに、観測可能性が高くなる傾向にあることを示している。これは今後ブラックホールの観測的な成果が次々に報告される時代に、重要な視点をもたらすと考えられる。

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公開日: 2024-01-30  

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