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2023 年度 実施状況報告書

共形場理論における相対エントロピーとその様々な分野への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K14716
研究機関立教大学

研究代表者

宇賀神 知紀  立教大学, 理学部, 准教授 (00837239)

研究期間 (年度) 2020-03-01 – 2025-03-31
キーワードブラックホール
研究実績の概要

今年度は、Balasubramanian(ペンシルバニア大)、野村(カリフォルニア大)と共同で、ドシッター空間をAdSブラックホールと(場の量子論の自由度を用いて)量子相関させた場合に実現する時空を2次元ディラトン重力の場合に構成し、その性質を議論した。特にドシッター空間のエントロピーがAdSブラックホールのエントロピーよりも小さい場合でないと、両者がつながった時空ができないことの、量子情報理論的な意味について議論した。また宮田(中国KITS)、中山(京大)と共同でブラックホール内部をホーキング放射から復元する際に重要と考えられているPetzの再構成写像をSYK模型およびランダムユニタリー模型において解析した。特に非常にカオス的な量子多体系においては、Petzの再構成写像が簡単になること、そしてこの極限において、操作論的な意味の明らかなYoshida Kitaevのデコーディングプロトコルに帰着されることを証明した。また二つの量子相関するブレーンワールドがワームホールを介してつながる現象をMyers(ペリメター研究所) Ruan(基研)と解析した。これは以前にBalasubramanianらと共同で研究した2次元重力における同様の現象を、ダブルホログラフィーと呼ばれる双対性を用いて、3次元古典重力の問題として解析したことに相当する。さらにこのセットアップを用いることで、Petzの再構成写像と等価なYoshida Kitaev のデコーディングプロトコルがブレーンワールド上で自然に構成できることを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度から続けていた研究プロジェクトを全て論文として発表した。さらにブレーンワールドを用いたブラックホールの量子情報理論的性質に関するいくつかの研究が新たに始めることができた。

今後の研究の推進方策

今後もブラックホール内部、及び閉じた宇宙の量子情報理論的性質のホログラフィー原理を用いた研究を継続して行う。

次年度使用額が生じた理由

所属機関変更のため。本年度は研究遂行のために必要な計算機及びその周辺機器、また計算ソフトの購入等に使用する予定である。またいくつかの海外出張の旅費としても用いる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] De Sitter space is sometimes not empty2024

    • 著者名/発表者名
      Vijay Balasubramanian, Yasunori Nomura & Tomonori Ugajin
    • 雑誌名

      JHEP

      巻: 135 ページ: 1-46

    • DOI

      10.1007/JHEP02(2024)135

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Petz (lite) recovery map for the scrambling channel2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Nakayama, Akihiro Miyata, Tomonori Ugajin
    • 雑誌名

      PTEP

      巻: 12 ページ: 1-40

    • DOI

      10.1093/ptep/ptad147

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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