研究課題
本研究の目的は、インフレーション探索に向けたCMB偏光観測実験の観測精度を飛躍的に向上させる偏光変調器の主要部である半波長板の特性を測定することである。特に、極低温環境下(20K-50K)における偏光特性を広帯域かつ高精度での測定を目的とする。半波長板の低温での偏光特性を十分に理解することで、半波長板の不完全性を補正、校正することが可能になり、直接実験の高感度化につながる。最終年度は、コロナ禍に加えて、研究代表者の所属変更などによる実験時間の制限があったが、出張や実験時間の調整などの臨機応変な対応によって、研究成果を挙げることに成功した。具体的には、構築した測定系を用いて直径50mmの広帯域半波長板での特性測定を実際に行った。低温回転機構に搭載したサファイア半波長板を20Kに冷却し、連続回転させることで透過率と変調効率を50-180GHzで測定した。さらに、回転機構の性能に起因する偏光特性への影響に関しても測定を行った。これらの結果をまとめて国際学会での発表と論文投稿を行った。また、構築した直径600mmの光学素子まで測定できるサンプルの回転が可能な常温測定系を用いて、実験に使用するサファイア半波長板とアルミナ熱フィルターの透過率と変調効率も測定し、実際のCMB実験にフィードバックをかけることにも成功した。これらの結果も論文投稿に向けた準備が進んでいる。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
Journal of Astronomical Telescopes, Instruments, and Systems
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