本研究では測定に際してまず開発中のキセノンガス飛跡検出器の完成を急ぐ必要がある。段階的開発を経ているため、光検出器を増設し飛跡検出が可能な有効面積の拡大や、ドリフト長を伸ばすことが挙げられる。 今回光検出器の増強や印加電場のための電極の改善を行った。これにより検出器の信号に対する応答が改善され、より良いクオリティのデータ取得が可能になった。これまでの開発過程から得られた知見をもとに、放電箇所の特定や機器の安定性向上のための小さな改善を積み重ねてきている。検出器の性能向上を実証するために、各種放射線源を用いた測定を行った。線源や宇宙線ミューオンに対しての飛跡取得に成功することができ、物理測定をするために必要な検出器性能向上が着実に進んでいる。
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