トリウム229原子核は、第一励起準位が8eV程度と原子核の中で最低である。このため、真空紫外レーザーによりこの準位に励起することが可能で、様々な応用が期待されている。しかしながら、未だにレーザー励起は実現されておらず、また第一励起準位からの脱励起光の観測例もない。本研究では世界初の脱励起光の観測に向けて、放射光施設SPring-8を利用した独自の手法で第一励起準位のトリウム229を生成し、その脱励起光を観測する実験を行った。また232トリウムを高濃度でドープしたCaF2結晶標的の透過率やX線ビーム照射の影響を評価した。
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