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2020 年度 実施状況報告書

CPU組み込みFPGAを用いたガンマ線リアルタイムイメージング手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14742
研究機関宮崎大学

研究代表者

武田 彩希  宮崎大学, 工学部, 助教 (40736667)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードガンマ線イメージング / コンプトンカメラ / リアルタイム / 電子飛跡型 / X線ガンマ線天文学
研究実績の概要

本研究の最終目的は,発展途上の電子飛跡型半導体コンプトンカメラを実現させることである。研究代表者が研究開発を進めてきた「イベント駆動型SOIPIX」を 用いることで,少数のガンマ線検出で到来方向を決定することが可能となり,カメラとしての性能が大きく飛躍する。本研究課題では,CPU組み込みFPGAによる オンボードデータ処理を実装することにより,課題であるリアルタイム性を躍進させる手法の研究開発を進める。二年目は,下記の成果を得た。

1)GPUコンピューティングボード「Jetson」の利用検討:本研究ではCPU組み込みFPGA「Zynq」によるガンマ線リアルタイムイメージングの可能性を模索しているが,新たにNVIDIA社製GPUコンピューティングボード「Jetson」シリーズを組み込むことによるデータ処理アルゴリズムを検討した。これにより,より柔軟なカメラシステムが実現する可能性がでてきた。2)ガンマ線イメージングのためのセンサ「イベント駆動SOIPIX」の研究開発:本研究はガンマ線リアルタイムイメージングのための手法の研究を目的とするが,実機による評価も重要なところである。昨年度動作させたイメージセンサ「イベント駆動型SOIPIX」の大面積素子によるコンプトンカメラ化の準備を進めた。また,小型素子により,チップ上でリアルタイムに検出パターンを処理する回路の機能実証を行なった。この機能により,コンプトン散乱による電子飛跡を効率よくとらえることができた。これらの研究成果は,論文としてまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実機であるイベント駆動型SOIPIXの評価試験は順調に進んでいる。大面積素子が動作しはじめ,コンプトン散乱による電子飛跡を効率よくとらえることもできている。あとは,コンプトンカメラ化に向け作業を進めていくことになる。しかし,データ処理アルゴリズムの検討に遅れが生じている。さらに,新たにNVIDIA社製GPUコンピューティングボード「Jetson」の組み込み検討を進めたため,研究に遅れが生じている。これらが本研究がやや遅れている理由である。当初の研究計画より1年延長したことで,当初の計画通り,もしくは,それ以上の研究成果を出すことができる見込みである。

今後の研究の推進方策

今後は,引き続きコンプトン散乱による反跳電子の方向ベクトル決定精度を向上させるためのデータ処理モデルの検討と構築を進めていく。また,CPU組み込みFPGAであるZynq搭載評価基板,GPUコンピューティングボードであるJetsonを用いて,実機によるデータ処理アルゴリズムの検討と構築を進めていく。そして,イベント駆動型 SOIPIXの実機測定データにより,処理モデルの評価を行う。これらにより,ガンマ線リアルタイムイメージングの手法研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた出張に変更が生じ,また,実機の準備の遅延があったため,次年度使用額が生じた。当初の計画を1年延長し,引き続き実機の準備等を進めるため,当初申請した使用計画への支障はない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Low-energy X-ray performance of SOI pixel sensors for astronomy, “XRPIX”2021

    • 著者名/発表者名
      Kodama Ryota, Ayaki Takeda, et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment

      巻: 986 ページ: 164745

    • DOI

      10.1016/j.nima.2020.164745

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Radiation damage effects on double-SOI pixel sensors for X-ray astronomy2020

    • 著者名/発表者名
      Hagino Kouichi, Ayaki Takeda, et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment

      巻: 978 ページ: 164435

    • DOI

      10.1016/j.nima.2020.164435

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Development of the detector simulation framework for the Wideband Hybrid X-ray Imager onboard FORCE2020

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Hiromasa, Ayaki Takeda, et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment

      巻: 979 ページ: 164433

    • DOI

      10.1016/j.nima.2020.164433

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Spectroscopic performance improvement of SOI pixel detector for X-ray astronomy by introducing Double-SOI structure2020

    • 著者名/発表者名
      Ayaki Takeda, Koji Mori, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Instrumentation

      巻: 15 ページ: P11001

    • DOI

      10.1088/1748-0221/15/11/P11001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of on-chip pattern processing in event-driven SOI pixel detector for X-ray astronomy with background rejection purpose2020

    • 著者名/発表者名
      Ayaki Takeda, Koji Mori, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Instrumentation

      巻: 15 ページ: P12025

    • DOI

      10.1088/1748-0221/15/12/P12025

    • 査読あり
  • [学会発表] 宇宙X線観測向けSOIピクセル検出器におけるPinned Depleted Diode構造の改良2020

    • 著者名/発表者名
      武田彩希,森浩二,西岡祐介,日田貴熙,行元雅貴 他16名
    • 学会等名
      日本物理学会 2020年 秋季大会
  • [学会発表] SOI技術を用いた新型X線撮像分光器の開発 44:PDD構造に改良を加えたX線SOIピクセル検出器の性能評価2020

    • 著者名/発表者名
      行元雅貴,森浩二,武田彩希,西岡祐介,三枝紀嵐 他18名
    • 学会等名
      日本天文学会 2020年 秋季大会
  • [学会発表] Proton radiation hardness of x-ray SOI pixel detectors with pinned depleted diode structure2020

    • 著者名/発表者名
      M. Hayashida, T. Kohmura, K. Hagino, K. Oono, A. Takeda 他18名
    • 学会等名
      SPIE Astronomical Telescopes + Instrumentation
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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