電波・X線観測による巨大ブラックホール近傍の磁場測定

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19K14772
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分16010:天文学関連
• 研究機関: 大阪大学 (2020-2023); 国立研究開発法人理化学研究所 (2019)
• 研究代表者: 井上 芳幸 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70733989)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 天文学 / 理論天文学 / 活動銀河核 / 電波天文学 / ブラックホール / 高エネルギー天文学 / X線天文学

研究成果の概要

本研究は、理論と観測の連携により、巨大ブラックホール周辺の磁場を決定することを目的としている。そこで、降着円盤理論、電波観測、X線観測を統合し、巨大ブラックホールに付随するコロナからのシンクロトロン放射を捉えることで、コロナ磁気活動の検出を目指した。本研究の支援のもと、我々はALMA望遠鏡を用いて近傍活動銀河核のコロナシンクロトロン放射の存在をスペクトル、時間変動、さまざまな天体から確認することに成功した。また、コロナ磁場が数十ガウスであることを世界で初めて明らかにし、ニュートリノやガンマ線といった高エネルギー放射との関連を解明することにも成功している。

自由記述の分野

宇宙物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、巨大ブラックホール周辺の磁気活動を明らかにしてきました。ブラックホールから噴き出す相対論的ジェットやブラックホールへのガス降着といった極限物理現象の背後には磁気活動があります。本研究の成果は今後、これらブラックホールにおける極限物理の解明において重要な役割を果たすと期待されます。また、宇宙線活動との関連も示し、ブラックホール近傍の極限物理状態の理解の一助となる研究となりました。