研究課題/領域番号 |
19K14780
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター (2020-2022) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
菅 大暉 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光推進室, 研究員 (70827568)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 火星隕石 / 有機物 / 水-岩石相互作用 / STXM / STEM / NanoSIMS / SFXM / 顕微分光 |
研究成果の概要 |
火星角礫岩隕石Black Beautyから火星表層由来の有機物を見つけて、その形成・進化過程を解明するため、有機物汚染を制御した状況で研磨された隕石試料をSEM-FIB-STXM-TEM-NanoSIMSを用いた一連の複合顕微分析手法を用いて分析して、有機物の形態・産状・結合状態・化学組成・同位体情報を得た。結果、鉱物粒子に包有された産状とマトリクス中に点在する産状という2タイプの有機物が発見された。鉱物中の有機物は火星での火山活動に由来すると考えられているMMCと類似の特徴を示した。一方でマトリクス中の有機物は同位体的に火星表層由来と考えられ、水質活動に起因した微小鉱物をその中に含んでいた。
|
自由記述の分野 |
惑星科学、地球化学、放射光、
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過去には水が疑いなく存在したとされる火星における有機物の存在やその特徴付けは、火星での生命発生の可能性を探る手掛かりであり、今後の生命存在可能性(ハビタビリティー)を議論する上でも非常に重要な知見となる。本研究が国際誌に掲載されれば、「火星の表層同位体情報を有する有機物を火星隕石から明確に見つけ出して特徴づけした」世界で初めての成果となる。また将来、火星表層試料が地球へ帰還して実験室や放射光施設で詳細な分析が行われた際には、本研究で特徴づけられたマトリクス中の有機物(δ13C = 15 ± 7 ‰、δD = 373 ± 68 ‰)が実際の帰還試料から見つかってくるだろう。
|